図書館本、4月19日読了。

2018年3月10日滋賀県琵琶湖の南側で遺体が見つかる。殺した後遺体をばらばらにして遺棄した犯人は被害者の娘であった。髙崎あかり31歳
実の母と娘の30年以上にわたる相克の物語。
いわゆる教育ママである母親は一人娘に滋賀医科大合格という難題をつきつける。浪人9年後、医科大の看護学科に合格。ところが次は助産師になれという。看護師は年間5万人程。助産師は二千人という狭き門。元々手術看護師になりたくて、内定も貰っていたあかりはもう自立する気満々で、助産師試験不合格の結果も気に止めなかった。
だが母は違った。徹夜で罵倒した。ついに娘はキレて母親を手にかけた…。
死人に口なし。犯人側からの供述しか得られないのでは2人だけの密室で本当のところはどうだったのか。そう思って話半分に聞いたとしても…壮絶過ぎた…。
母親が医大、その後は助産師に固執した理由をあかりはわからないと言っていた。
私が邪推するに…。
母親はやはり娘に依存していたのではないか。無理難題を押し付けることで自分から自立させないようにしたのでは。
医者になることを9年も強いるのは余りに異常。浪人さえさせておけば自分の元を離れることはない。
本当に子供のことを思えば早く自立させたい、1人で生きていける術を身につけて欲しいと思うのが親の愛情では。
しかし彼女は自分に娘を縛り付けた。もはや娘への愛情ではなく自分が必要とされていると感じていたいだけの自己中。この時点で母親は母親でなくなっているような気がする。
だが、ついに看護学部に受かってしまった。看護師は寮がある。ついに自分から離れてしまう。
そこで助産師。母親なりに調べたのだろうか?助産師というものに固執する理由は難関だからということ以外他人には考えられない。特に助産師がどういった尊い仕事か、なぜ必要なのかを説くことはなく、ただ助産師になれ、ではなれと言われた方も戸惑うしかないだろうに。
母親の狭い世界の中で、ようやく本人の願望が見えてきても、ことごとく母親に潰されてきた。三度の家出、二回の就職も母の手で引き戻された。ようやくつかんだ看護師の夢、内定。
だが母には危機でしかなかった。新たなる関門を見つけねば。
この母親が母親でなければならないという強迫観念にも似た思いは、母親自身が実の母に捨てられたからということに起因しているのではないだろうか。実の母(あかりの祖母)は母を妹に預け、自分はアメリカ人と結婚してアメリカに行ってしまった。母親が成人してから祖母とは交流が深まる。しかし祖母と母の確執、母と叔母の確執などあったのか、どういう思いだったのかはもう聞くことはできない。聞いたとしても娘には手前勝手な言い訳にしかきこえないかもしれない。洗脳が溶けた娘は、聞きたくないし興味もないかもしれない。
事程左様に人間関係及び感情とは複雑なものだなぁと感じざるを得ない。
父親は何をしていたのか。ここにも父親不在の悪慣習、子供は母親が育てるものという古き悪しきものが、見え隠れしているような気がしてならない。この母娘家庭に限っては女が子供の面倒を見るもの、という男尊女卑的な考えではなく母親が父親を追い出したという側面もあるにはあるが。父親が女作って出ていったとかではない。それなら尚更なぜこうなるのか、という気もする。
ただ出所後は父親があかりを引き取りめんどうを見ると裁判で言っているので、ようやく父と娘は親子になれるのかもしれない。遅すぎるけど。
誰もが自身と親の関係を省みて戦慄してしまうのではないだろうか。自分と母親、自分と娘。だから1年で10刷の重版になり、今も読み継がれるベストセラーになったのか。ベストセラーにテーマって大事よね〜。未解決事件でもないのにここまで読まれるとは。
しかし出てくる名前は実名なんだろうか。それこそ二次被害とか大丈夫?(←別にそれでボツくらったから言ってるんじゃないよ?)
親と子はかくも業が深いのかと嘆息せざるを得ない。
なんか気が重くなった〜💦

